顔面騎乗という視点を得たことでわたしの思い出は美しくなくなったかもしれない

そういえば彼女はアトピー体質だった。たしか。治っているものの腕の側にむかし掻きむしったであろう跡が見えた。わたしもアトピー気質なのでかき傷のあろう部分はわかる。ヒザの裏側とか背中とか陰部そばにもかき傷があるかもしれない。耳の後ろとか。彼女がポニーテールみたいな髪型をしなかったのは耳のうしろやクビのうしろがわにある昔のきず跡を隠すためかもしれない。

いままで彼女とセックスできるなんて考えたことがなかったから彼女の瑕疵を思い出すことはなかった。しかし顔面騎乗によってスカートの内側を垣間見れる可能性という視点を得たことにより忘れていた彼女の肉体的瑕疵を思い出すことによってわたしの思い出における彼女の性的価値が減少してしまった。幻滅というほどではないけれど幻想は打ち壊された感じがしていやな気分だ。同時に過去に得られなかった性的官能からの呪縛から解き放たれたともいえる。わたしにとって顔面騎乗という視点は今後も生きていく上で必要になりそうだ。

道ばたや飲食店でかわいくて若い女を見かけるたびに「あのもしもし顔面騎乗していただけないでしょうか」と切り出しているわたしの姿をわたしはたびたび思い浮かべては勃起させている。楽しい。女子高生や女子中学生とセックスするのは不可能ではないけれどハイリスクであり生涯をかけた大仕事だが顔面騎乗を依頼するのはさほどむずかしくない。わたしの直感では百人に声をかければかわいい子の一人はわたしに顔面騎乗をほどこすことについて承諾してくれるはずだ。生きがいが生まれた。わたしにとって顔面騎乗とは大いなる可能性なのだ。